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2022八幡祭 ~近江八幡ええとこ日記③~
毎年4月14・15日、日牟禮八幡宮では「八幡祭」が行われます。
八幡祭は、14日の「宵宮祭」と15日の「太鼓祭」の2日間に渡って行われます。
宵宮祭は松明祭とも呼ばれ、国の無形民俗文化財に指定されています。
祭りの起源
応神天皇が近江に行幸されたとき、琵琶湖から松明に火を灯して道案内をしたのが祭りの始まりといわれています。
その後”源平の祭り”や、”水利・五穀豊穣を祈る祭り”といわれるようになったそうです。
祭りの詳細
祭りを行うのは、八幡開町以前の旧村落12郷で、
上之郷(市井、多賀、北之庄、鷹飼、中村、宇津呂、大林、土田)
下之郷(船木、小船木、大房、南津田)の2つに分かれます。
14日の松明祭では、日牟禮八幡宮の境内で、上之郷と下之郷の代表者が笹竹を材料にして大名松を作る「大松明結い」が行われます。
ヨシや菜種を材料とする各郷の松明も、同境内に立てられます。
各郷ごとに嗜好を凝らした松明は、大きさや形が様々で、高さ10メートルに及ぶものもあるそうです。
松明が通りにずらりと並んでいる景色は、松明祭の名にふさわしく壮観な眺めなのだそうです。
夜になると、若者が太鼓と鉦を囃しながら各郷の宮入りが行われ、仕掛け花火を合図に、松明の奉火が始まります。
花火と共に火柱を上げて松明が燃える壮大な光景を見ることができます。
15日の太鼓祭では、各郷から宮入りをした大太鼓が渡御し、拝殿の前で奉納が行われます。
大勢の若衆の肩にかつがれた大太鼓が境内を練り歩く様は、力強さと千数百年の歴史を今に伝える、重厚な雰囲気を感じられます。
2022年の八幡祭の様子
残念ながら昨年に引き続き、規模を縮小して行われるそうです。
14日の松明祭は、各町の松明奉納はなく大名松のみが立てられ、15日の太鼓祭は、太鼓はなく、役員のみの渡りとなるそうです。
4月14日午前に日牟禮八幡宮前を見に行くと、ちょうど大名松が作られているところでした。
上之郷、下之郷の代表の方々が、力を合わせてそれぞれの大名松を立てていきます。
笹竹で美しい神座が作られています。
伝統を現在に伝えていく様子を、少しだけ垣間見ることができました。
午後から見に行くと、2本の大名松が立ち上がっていました。
上之郷の大名松
下之郷の大名松
美しく飾られた大名松ですが、形が少しずつ違っています。
作っている方に教えてもらったのですが、どちらかが雄でどちらかが雌という言われもあるのだとか。
各郷の人々の技術や団結力によって八幡祭が作り上げられていることを感じることができました。
各郷の松明や大太鼓が渡御する様子が見られないのは残念ですが、八幡祭の醍醐味を味わえるのは、来年の楽しみにとっておきたいと思います。